ご訪問ありがとうございます。
今日はこちらの『シェイプ・オブ・ウォーター』。
独特な世界観が炸裂していて脳みそが混乱しそう。映像美に浸りたいけど浸らせてくれいないオンリーワンなラブストーリーでした。
💧あらすじ💧
1962年、冷戦下のアメリカ。政府の極秘研究所で清掃員として働く女性イライザは、研究所内に密かに運び込まれた不思議な生き物を目撃する。イライザはアマゾンで神のように崇拝されていたという“彼”にすっかり心を奪われ、こっそり会いに行くように。幼少期のトラウマで声が出せないイライザだったが、“彼”とのコミュニケーションに言葉は不要で、2人は少しずつ心を通わせていく。そんな矢先、イライザは“彼”が実験の犠牲になることを知る。
出典:シェイプ・オブ・ウォーター : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)
💧語りたいポイント💧
いろいろな要素が詰め込まれた濃すぎる世界観に振り回される
セットはかわいくて眺めるだけで楽しいし、昔の映画みたいなレトロな音楽がおしゃれだし、キャストの設定や動きもファンタジーっぽくて、おとぎ話って感じ!
そんな映画と言えなくもない。いや、やっぱりそんな風には言えない?と戸惑ってしまうくらいに独特で濃ゆい世界観。
異種族との恋物語にぴったりな雰囲気が続くかと油断していると、エロやグロが襲ってくる。しかも容赦のないレベルで。
バイオレンスなシーンには一切甘さがなくて、思わず「痛い痛い」と顔をしかめてしまった。
個人的にお気に入りなのが、半魚人とネコのシーン。
イライザの家に落ち着き、イライザやその友人のジャイルズとも打ち解け始めた半魚人は、少しかわいく見えていた。ギョロ目もなんだか愛嬌がある。
「威嚇したり、噛みついたりするのも恐怖や不安があるからだろうな~。『ナウシカ』のテトっぽい」
イライザが仕事へ行き、ジャイルズがうたた寝しているときに1人で家の中を歩いた半魚人は飼いネコと遭遇する。威嚇し合う姿もそっくりで、やっぱり怯えた野生動物みたい、なんて呑気に考えていた。
その後、場面が切り替わり起きだしたジャイルズ視点になると、ネコを食べている半魚人が!!
おとぎ話モードで油断していたところを一気に揺さぶられた。
そんな油断ならない映画だけど、やっぱりこの物語は、人間ではない何かとの美しい恋のおとぎ話なのだと思う。
スパイスが山盛り振りかけられているだけで、ストーリーの骨子は王道のラブストーリーになっている、と感じた。ハンデを持つ女性が半魚人と出会い、初めての愛や理解を得るという展開は、途中でエログロを味わわされてきたとしても素敵だと思える。
なんといっても、そんな2人が愛を交わす水中シーンの綺麗さは、それだけで「これは愛のお話なんですよ」と感じるのに十分な説得力がある。
「かわい~」と呑気に楽しんでいたかと思えばエログロにぶん殴られたり。と思ったら美しい愛の物語にうっとりしたり。
甘いのか辛いのか苦いのか酸っぱいのか、だんだん分からなくなってくる。そんな独特な世界観がクセになりそうな映画だった。